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『沈まぬ太陽』は二度と見たくない名作

2009年11月26日

 昨日、 『沈まぬ太陽』を見てきたよ。
 名作だった。

 冒頭近くの国航123便の御鷹巣山墜落シーン、本当にすごい。
 いままで映画でも飛行機墜落シーンなんて何度も見たじゃない?
 でも違う。心が動くよ。
 見た後で「自分は無事でよかった」と思って、そんな自分が恥ずかしくなる。
 そのレベルで心が動かされちゃう。
 テレビ画面やDVDでは、あれは伝わらないかも。
 あのシーンを見るためだけでも、絶対に映画館で見た方がいい。

 その他、体育館に延々と棺が並んでいるシーンや、御鷹巣山頂上に林立する手作りの墓標群など、僕たちは一度はニュースで見たような画面なんだけど、もう圧倒的に感情をゆさぶる「絵作り」のすごさ!
 本気になった邦画はすごいよね。

 3時間30分という上映時間は別に長くない。
 あれを描くには、そりゃ必要だろう。
 ちょっとどうかな?と思うのは結論部分の歯切れの悪さ。
 高級な映画を目指しすぎてるんだよなぁ。

 テーマ丸出しセリフの絶叫って、好きじゃないんだ。
 「誰か助けてください~」とか、バカみたいじゃない?
 アニメもそういうシーンがあったら、すっごく冷めちゃうんだ。
 邦画にはそういう「泣かせ至上主義」みたいな程度の低さが見え隠れして、だからあんまり見に行かない。
 
 でも、『沈まぬ太陽』は、そういうお子様向けの邦画がイヤでしかたなかったんだろうね。
 テーマを絶叫しない。
 いや、それどころか言わないんだよ(笑)
 
 遺族が会社を責めるシーン、お葬式のシーンなど、単純なドラマ構成の部分はすごく心を打つ。
 墜落シーンもそうなんだ。
 「何を描くべきか」がはっきりしてるシーンは、本当にものすごく面白いし、感動できる。
 
 でも、「はっきり描きたくない」「映像的なモンタージュや演技で伝えたい」と思っているシーン、つまり大事な肝心なシーンの大半が、わかりにくくなっちゃってる。
 僕には高級過ぎちゃったんだろうね。
 一人前1万円を超える寿司の味なんかわかんないもん。同じく高級すぎる映画は向いてなかったのかなぁ。
 
 だから僕にとっては、クライマックスからラストまで、なんだかすっきりしなかった。
 渡辺 謙と素晴らしい映像と盛り上がる音楽がどんどん来て、
 「ここ、感動するシーンらしい」
 とは思うんだけど、さてはてどのように感動したもんだろう?
 
 僕だって1800円払って3時間半という時間も支払ったから、感動の一つぐらい家に持って帰りたいじゃない?
 でも、テーマがよくわかんないまま終わっちゃったんだよね。
 なんで主人公、そんなにアフリカ好きなんだろう?
 
 
 文句もちょっと言ったけど、時間とお金に余裕があったらぜひ見てね。
 『ハッピー・フライト』は大好きな映画で、DVDも買おうかと悩んでる。でも名作じゃないよね。せいぜい佳作。
 それに比べて『沈まぬ太陽』は絶対にDVD買わない。もう二度と、あの墜落シーンは見たくない。
 でも名作なのは間違いないよ。
 
 売れているから名作、じゃないわけだよね。
 切ないよなぁ、『沈まぬ太陽』も、僕には高級なものがわかんないというこの現実も。
 
 今日はここまで。
 じゃ、また明日ね。



Posted by 岡田斗司夫 at 01:30

この記事へのコメント

墜落シーンというのは、墜落現場のシーンではなく、実際にその過程が描かれているということでしょうか。

この映画はまだ見ていませんが、昨年公開の「クライマーズ・ハイ」の墜落現場のシーンよりもハードなのかなと、気になりました。

「ハッピーフライト」ですが、こちらは映画館で見て、先日WOWOWで録画。このくらいのスタンスがちょうどいいのかもしれませんね。
Posted by せんちゃまん at 2009年11月26日 13:41