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朝日新聞「悩みのるつぼ」

2009年10月18日

 朝日新聞で毎週土曜に載っている「悩みのるつぼ」というコーナーがある。
 読者からの悩みに答えるという企画で、僕も回答者のひとりだ。
 しかし一番面白いのは作家の車谷長吉さん。毎回、「こんなのアリか?」という車谷ワールドに読者を引っ張っていってしまう。

 しかし、先週の車谷さんの回答は、なんかいつもよりキレが悪かった。最後は「人間社会には、楽な道はありません。」といういつもの車谷節で締めるんだけど、いつもは冒頭も展開部ももっと切れ味が良くて面白いのに。
 不思議に思って、質問と回答をよ~く読んで、しばらく考えたら笑ってしまった。
 新聞記事なので引用はできないけど、主旨は以下の通り。

質問:義理の父母がこの10年間、同じ自慢話を何度もする。すごくイヤで耐えられない。
回答:愚痴に比べたら自慢の方がマシじゃないか。自慢がイヤなら相手に言え。それでケンカになったら自分で責任とれ。

 で、なんで車谷さんの回答がキレ悪いかと(僕が)思ったら、わかったよ。
 だって車谷さん自身が「自虐自慢」のタイプの人なんだもん!

 僕は車谷さんの壮絶な人生と、諧謔的な文体に惹かれていつも面白く読んでる。それは言い返せば「車谷長吉の苦労の自慢話&説法」を聞いてるのと同じだ。
 普通の人が話す苦労の自慢は面白くないけど、車谷さんのは面白い。
 彼が超一流の作家だからだ。

 もし僕がこの質問を担当していたら「自慢話」ではなく「同じ話を繰り返される」という部分に回答しようとしていただろう。でも車谷さんは「自慢話」という部分に心が引っかかって回答した。
 きっと無意識のうちに自分と同タイプの人間を責められてるような気がして、思わず最後は「文句があったら言えよ!」って言いたくなったんじゃないかな。

 車谷さんの可愛い面を見れたような気がして、ますます好きになっちゃった。

 今日はここまで。
 また明日ね。


Posted by 岡田斗司夫 at 11:24

この記事へのコメント

人生相談というと、自分の背中を押して欲しい、二択以上の選択ができない、どうしたらいいのか検討もつかないなど、最終的には自分で決断しなければいけないことを、著名人(知恵者)の知恵を拝借して解決の糸口を見つけるということだと思います。それは発想の転換や固定観念を捨てることだったり、どうしようもない事象に抗ったり越える術を理屈により得心したり。

相談される側も生身の人間なので、時にはかわせず、力技で答えてしまうことが微笑ましいということでしょうか。セラピストや易者、宗教家のような特殊な能力に寄る自分、肩書きがあれば、違うのかもしれませんが。

「悩みのるつぼ」で検索したら概ね岡田さんはダイエットの達人ということで紹介されていました。「悩みのるつぼ」の読者層が非オタクな方達で一般的?にはそういう認識のされ方なのだなと再認識しました。
Posted by アキベエ at 2009年10月19日 01:04
自分は想像力の無い人間なので、
考えられる選択肢が少なくて、
いつも悩んでる側なのですが。

岡田さんの発想や着眼点は
面白いし、勉強になります。

悩み相談に対して、数式の証明問題のように
「これを原因とするならば」と仮定して
「こういう行動をせよ」と明確で実践的で
切れ味の良い回答を聞くと、
まるで推理小説を読むような楽しさを感じます。
Posted by でんでらりゅーば at 2009年10月19日 02:05
朝日新聞「悩みのるつぼ」、私も愛読しています。
私も車谷節のファンでしたが、確かにあの回はちょっと「?」でした。
でもこちらの記事を読んで納得しました。
なるほど、車谷さんって「自虐自慢」の人だったんですね!

岡田さんの解答も、いろいろと参考にさせていただいてます。
「とっ散らかってしまった悩みを整理する」という発想、
相談者でなくても役に立つものでした。

かつての新聞の悩み相談には、上から目線で「常識」(わざわざ言われなくてもわかってるような)を盾に説教する回答者がいてムカつくこともありましたが、最近の朝日新聞の悩み相談の解答は、レベルが高いなぁと感じています。
Posted by 月ノヒカリ at 2009年10月20日 23:49