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”あかほりさとる”の最高傑作

2009年06月20日

 いや、あかほりさとるがこんなに面白いとは知らなかった。
 
 アフタヌーン新書で発売された『オタク成金』という本、あかほりの著作ではなく天野由貴さんという女性ライターがインタビューをまとめたものらしいけど、これがとてつもなく面白い。
 クリエイターを志すもの、特にマンガやアニメなどオタク系を目指してる人にはぜひ読んで欲しいなぁ。
 いや、彼の言ってることが正しいとか、そういう意味じゃない。そうでなくて「とてつもなく面白い」から。
 ぜひ彼の語り口(ライター・天野さんの技術も含め)は吸収した方がいいと思うよ。
 
 
 正直、これまでの僕にとって”あかほりさとる”という作家は「名前は知ってるけど、それ以外の情報は皆無」といっていいぐらい縁遠い存在だった。彼の小説は読んだことないし、たぶんこれからも読まないと思う。
 でも、そんなことは本書の「面白さ」の前には関係ない。
 
 とにかくここで書かれているあかほりは、徹底的にチャーミングだ。
 「売れたい」「売れないと意味ない」「目立ちたい」
 過剰なまでに露悪的に書かれてるけど、露悪的発言というのは絶対に「真意を理解してくれる奴が世界のどこかにいるはずだ」という読者への信頼感がないとできない。露悪的キャラクターとは、絶対に”甘えっ子”なのだ。
 
 そのあかほりが、口は悪いけど読者に明かす創作技法の数々は、まぁ書店で自分で手にとって見てください。
 実際に創作してる人には食い足りないかもしれないけど、なにせ彼が対象にしてるのは「文字が並んでるのを見るだけで頭が痛くなる人」「40人のクラスで、本を読まない35人」なんだから、これで充分以上だと思う。
 
 繰り返すけど、本書の魅力は”あかほり自身”だ。
 内容にいちいち反発したり検証しては、せっかくの美味しいところを味わえない。
 語り口とスピード感と、合間から見え隠れする彼の「みんなに喜んでもらえないオレなんて、生きてる意味ないよなぁ」という絶望、ここを味わいましょうよ。
 
 相変わらずあかほり作品に興味はないけど、あかほり本人というキャラは面白いなぁ。
 どんどん、この「あかほり+天野」のコンビで新作書いてくれないかな。
 
 というところで、今夜は終わり。
 また明日。
 


Posted by 岡田斗司夫 at 02:38

この記事へのコメント

アマゾンに在庫ないみたいですね。
書店に行ってみます。
Posted by ささき at 2009年06月20日 04:50
小黒祐一郎さんのアニメ業界のプロ達へのインタビュー集『この人に話を聞きたい』に10年ほど前のあかほりさんのロングインタビューが載っています。

「僕はよく「作品作り」って言わないで「商売」って言っちゃうんですよ。」
「「売れなかったけど、良い作品だよ」っていうのは屈辱的な言葉ですね。ホントに慰めにならないですね。」
「エッセイは心のヌードですよね。全部さらけだすじゃないですか。そこまで他人に自分を分かってほしいんですね。」

書かれていることは今回の本と似通っているかもしれませんが、あかほりさとるがアニメファンの視界から消える寸前の、90年代末のインタビューということで、興味があったら是非、読んでみてください。
小黒さんの聞き方も丁寧かつ、ツボはきちんと押さえていて読みやすくて面白いし、良い本です。
Posted by UMW at 2009年06月20日 12:24
岡田さんがプロデュースして漫画やら漫画、アニメ原作(脚本)やらを世に出して欲しいですね。今の出版社、もう駄目でしょ、はっきり言って。
Posted by 負け犬 at 2009年06月20日 17:05
読みました、サクサク読めて面白かったです。あかほりさんのようなタイプのクリエイター向けの処世術としては、損して得とれなのか、かなりサービス精神旺盛な内容でした。あかほりさん、天野さんの文章を掛け合い漫才のように楽しめれば買いだと思います。ただ読む人のオタクとしての自覚や自意識によっては素直に楽しめない内容かもしれません。そして、売れるという意味で考えると本のタイトル、オタクではない一般向けをねらっている内容であるのかというと疑問で、結果どっちつかずになってるのかなと思いました。それがニッチとしてのねらいだったのかもしれませんが。帯の「アニメ界のコムロと呼ばれた男(笑)」っていうのも・・・全然売りになっていないと思います(笑)
Posted by アキベエ at 2009年06月26日 00:24
岡田先生がほめててびっくりしました!
なんか、ラノベ好きな人は、これ読むとイラッとくるらしいです。(ネットのブログとかいろいろ見ると)
私は読みやすくて本質を突いてて(あかほりせんせらしい暴走もある気はしますが)単純に面白かったんですけど。イラッと来る人は、活字を読みなれてて、ライトという割には難しい本も読みこなせてたりするから違和感を感じるのかな、と。あと、たまたま「オタクはもう死んでいる」を先に読んでいて、なんとなく、同じカテゴリーでの縮小再生産になってるっぽいという見方が刷り込まれていたのですんなりと読めたのかもしれませんけど。
あかほりせんせの特別ファンというわけでもなかったですが面白かった(本書でも触れられてますが似たような作風が多く、面白さにムラがあったのも確か。あと、エロいw)です。アニメもそれなりに見る方で、いわゆるあかほり作品は最盛期のは見てましたが。あとK坂せんせの本くらいしか読めないです。クラスで40人中35人の本読まないほうです。
ちなみに、岡田先生の著書はこんな私でも読みやすかったです!偉い人で難しいんだろうと思ってたんですけど!全然そんなことなくて!ちょっと話がずれますけど、徹子の部屋に出演されてた岡田先生を拝見して、(結構前の話ですみません)初めてどんな方か知りました。
アニメの殿堂を作らない代わりに人材育成にお金をかけるという話もちらほら聞きます。
アニメ制作は給料安くて悲惨だと聞きます。
だから、あかほりせんせには稼いでもらって業界全体も稼げるようになればいいなと思いました。(もちろんいい作品ありきですよ)
あんまりエロすぎなければ私も応援します。
Posted by たかはらさえき at 2009年10月15日 01:12