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「純国産の国民」ってサベツだよなぁ

2009年06月09日

 先日、NHKの討論番組に出た。
 もうオンエアも済んだ番組だけど、主題は「これからの結婚はどうなる?」と言った内容のもの。
 しかし、僕からしたら個々の問題の繋がりに首をかしげることが多かった。
「それ、関係の強度にかかわらず話題として繋いでるだけじゃん」と思ったよ。

 たとえば、番組の主題として「少子化が問題になっている。なんとかしなければならない」
 この段階だけでいくつもツッコミできる。
 日本人口をこれ以上増やしてどうするつもりだ?環境負荷はもうとっくに限界だろうに。
 ま、百歩ゆずって「少子化は問題」はかまわないとしよう。いちいち、すべての件に異議を申し立ててもしかたない。
 
 「少子化の原因は、最近の若者が結婚しないからだ」
 ちょ、ちょっと待て~い!(笑)
 結婚と出産とをイコールで括るのはムチャだぞ。たしかに密接に関係してるとは思うけど、「結婚できない」「少子化」は同じ問題でもないし、原因と結果でもない
 「結婚してないと子供を産んだり育てたりが不利になるシステムがある。結婚なしで育児・出産ができる社会を目指そう」という考えかただってアリなんだから。
 
 「少子化が進むと、社会保険を含めて日本の経済全体が危機に陥る」
 ここまでいくと、百歩譲ろうが千歩譲ろうが、ムチャだ。あまりに短絡的すぎる。
 だいたい、この発言の陰に隠れているのは「日本人同士が結婚して子供を産んでくれないと、純血の国民が不足してしまう」という、とんでもない発想だ。
 労働力や経済に必要というなら、別に日本に住んで法律を守り、消費して税金さえ納めてくれたら誰でもかまわないはずだ。
 「日本人が結婚して作る子供=純国産の国民」だけ増やそうとせず、別に国民は「輸入物の国民=移民」でもかまわないだろうに。
 
 ・・・てなことを、番組の収録では言ったけど、当たり前だけどほとんどカットされちゃった(笑)
 
 「ちゃんとした恋愛」=「ちゃんとした結婚」=「ちゃんとした家庭」=「育児と教育」というのは、「誰にでも与えられる、あるべき当然のコース」ではない。このステップ一つ一つに落とし穴があって、全クリアするのは至難になってきている。
 なのに、「このコースをクリアしないと負け組」という決めつけは時代遅れどころか、国民にムダな心理負担を強いる「使えない常識」なんだよなぁ。
 
 前に本に書いたことだから、ここで繰り返してもしかたないんだけど、あらゆる通念には、つまり常識や価値観や信念、正義感には賞味期限や使用期限がある。
 「家庭を作るには愛が必要で、それは『恋愛』がベースになる」という我々日本人の常識だって、この五十年、せいぜい多く見積もっても百年程度の歴史しかない。
 
 せっかく視聴率を気にせず、スポンサーの顔色を見なくてもいいNHKの討論番組なんだから、もっと根本的で過激な意見の交流もあっていいんじゃないか。原稿を書きながら録画した番組を見て、そう思ったよ。
 
 じゃあ今夜はここまで。
 また明日ね。
 


Posted by 岡田斗司夫 at 20:53

この記事へのコメント

たしかに少子化が問題視される裏には排他的なナショナリズムが潜んでるのかも知れませんね。岡田さんさすがです。
Posted by ぐんそう at 2009年06月09日 21:00
この番組、私も見てました。
遥洋子さん、強烈だったなあ・・・(笑)

私は31歳の独身喪男ですが、近頃は周囲の「結婚しろ」プレッシャーがキツく、かなりのストレスになってます。
男の私にさえこうなんだから、ましてや同じ年代の女性達はもっと大変なんだろうな・・・と思います。

「結婚しない奴は負け組」、この考えが今も多くの男女を苦しめていると思います。

岡田さんのおっしゃるように、結婚というシステムが、現状に合わなくなってきてるんですよね。結婚によって失うもの(時間、自由、お金)や背負うもの(家庭)が余りにも大きすぎます。

でも一方で親に孫の顔は見せてやりたい、なんて気持ちもあったりして・・・・。
自分はこの先どうすべきなのか、今も迷っています。
Posted by ウツロメ at 2009年06月09日 21:57
はじめまして。岡田さんのこのブログで番組内容を知ったのですが、開始冒頭の「結婚していない人の中で、90%の人は結婚したいと考えている」を見て、その90%の人に関する討論なんだろうなと思い、チャンネルを変えました。。。
Posted by ikechangikechang at 2009年06月09日 22:30
アメリカなんかは移民を受け入れることで人口を一定に保っていますよね。しかし、介護士の海外からの受け入れ状況なんかを見るとそれもなかなか難しそうですね。
環境を考えると人口は減ってもいいですが、経済や年金を考えると困るし、、
Posted by 名無し at 2009年06月09日 23:22
今の日本人は渡来人の血が相当程度まじってるんですけどね。
NHKの討論番組って意外と自由が少なくて予定調和が多い気がします。
小子化についてはもっと話が聞きたいです。
結婚についてもフロンの続きが気になります。


ギャオジョッキー見ました。
アニソンのど自慢の予選は今月中は見れるようです。
http://www.nhk.or.jp/osaka/anison_nodoyosen/index.html
40番のキューティーハニーの後ろでデビルマンがスタンバってるのが笑えました。
Posted by fb at 2009年06月10日 02:53
この手の議論は、「自分の選んだ人生がいかに正しいか論」になりがちな
気がしました…。

実際子供を持っている友人と話すと、
「義務感だけで子育てなんて絶対ムリ!」
だそうで、
少子化→じゃあ結婚して子供を産もう、
という発想は現実的ではないと感じます。

まだ「花嫁説教学校」から始める方が
現実的かもしれませんね(笑)
Posted by かのん at 2009年06月10日 03:53
そもそも問題の本質は、「少子化」では無く「多老化」ですよね。
少なくとも年金の破綻は老人が“予想通り減らない”事が原因。
(しかし、20年以上前からわかってたのに何もしてない厚生省って・・・)
まぁ、だからといって「ソイレントグリーン」のような未来も勘弁ですが。

友人は一子をもうけていますが、二子は収入の関係で難しいそうです。
こういう話を聞いて、脊髄反射的に思いつくのは、
「年収で育てる子供の数を決め(実子である必要は無い)、足りない場合は税金を取り、それを教育費等にあてる。会社、法人等の場合も扶養している子供の数を計算する」
って極端な方法です。無理でしょうけどねー。
Posted by PNT at 2009年06月10日 09:34
岡田さんさすがです。今まであまり僕は少子化問題や結婚問題にはあまり関心が無かったのですが、岡田さんのブログを読んで意識するように為りました。



これからも眼が醒めるような痛快な岡田さんのブログ楽しみにしています。
Posted by kain at 2009年06月11日 04:36
少子化のような社会的な問題と、個人のライフスタイルの問題は別にわけて考えるべきだと思います。混ぜて考えてしまうと議論がかみあわないでしょう。
Posted by tama at 2009年06月11日 05:07
NHKのスポンサーは国民ですもんね
Posted by ちん at 2009年06月12日 13:24
JSPさんの意見に同意です。
そもそも、移民や帰化をしたら、死ぬまでその国を愛し忠誠を尽くすだろう、というのが日本人的な発想でしかないわけです。

仮に若い労働者が外国から移民してきたとして、故郷の年老いた両親を呼び寄せたら?
あるいは就学期の子どもが日本の医療や教育を享受したあと、祖国や第三国に再度移民したら?

そういう「福祉のいいとこどり」になるようなケースを、移民推進論者はどうして見て見ぬフリをするのでしょうか。

国が「純血」の国民を重視するのは、差別意識や民族意識ではなく、そういったリスクが低いからではないですか?
Posted by かなひら at 2009年06月13日 02:49
>日本人口をこれ以上増やしてどうするつもりだ?環境負荷はもうとっくに限界だろうに。

増やさなければならないのは日本人口ではなく日本の若年人口です。
また増やさなくてはならない一番大きな理由は多分経済的理由で、環境負荷は何の関係も無い話ですね。


>純血の国民が不足してしまう」という、とんでもない発想だ。

移民なんて募集すれば今すぐにでも数万人単位で集められます。
そんな移民で簡単に片が付く話ならそもそも誰も悩んだりしてません。
純国産の国民と輸入物の国民はどうしたって対立し合いますから、人口減への対策は純国産の国民の増産が理想なんです。
移民は人口減問題解決の言わば最後の手段であって、おいそれと口にすべき存在ではありません。
日本は在日韓国中国ブラジル人ですら持て余しているんですからこれ以上の単純労働移民は不要です。
Posted by 釣本直紀 at 2009年06月14日 21:43
つまり右肩上がりの成長信仰や現行の結婚制度などといった、長年日本人と共にあった価値観が現実に合わなくなってきたことが人々に不安を与え、ちょっとしたパニックを引き起こしているという事ですね。だから本当は日本経済衰退の副次効果にすぎないのかもしれない少子化が衰退の原因と早とちりされて「大変だ子供を増やさなければ」と騒がれたりするんでしょうか(養う余裕がないのに人口だけ増やしても景気が良くなりますかね?)。まぁ、できれば今日と同じ明日がずっと平穏に続いてほしい、という贅沢な願いを平和な国の住民が抱くのは無理もない事でしょうね。だからこそ、「本当に人口減少問題が深刻になれば移民受け入れも選択肢の一つになりうる」という仮定の話にも皆さん必死にダメ出しにかかるんでしょうね。「有名人の岡田斗司夫を論破してる俺あたまいいかっこいい」という心理もあるのかもしれませんが。
Posted by アデ at 2009年06月15日 16:41
>おーく

>そんな理屈、明治維新のときからさんざん繰り返されてきたありがち正論ですよ。

ま、それだけ「従来の経験につい固執して目の前の現実への対応に手こずる」などといった人間の習性は昔から変わらないってことですね。「人を殺すな」「物を盗むな」なんてそれこそ紀元前からありがちな正論は21世紀の今でもさんざん聞かされますね。

>露骨な経済衰退ってここ数年あったかなあ。不況は昨年10月から、しかも震源地はUSAだったし。

日本の経済はバブル崩壊後10数年間ずっと冷え込んでいるというのが一般大衆の典型的な認識じゃないですかね。ロストジェネレーションといっても実はマクロな視点では大したことなかったのかもしれませんが、大衆が実感する生活への不安は多少なりとも社会に影響は与えているんじゃないですかね。もちろん少子化がそれだけで説明できるわけではありませんが。
Posted by アデ at 2009年06月15日 22:59
>おーく

>人口減少→国民の移民… これを成功させるのにどれだけの難関が待ち構えているのか

ま、確かに外国人を日本人へと思想改造するよりは日本人を「結婚するぞ子供作るぞ」と洗脳する方が楽ですね。ただ移民云々の話は「こんな選択もありうる」という仮定の話で、むしろ「人口問題対策には結婚できない若者を結婚させるしかない」という機械的な繰り返しへのカウンターじゃないですかね。

>こういう入り組んだ話に向かって、岡田さんは例によってフロンだの洗脳社会だのと個々の人間の自意識の問題に着地させようとする

入り組んだ話だからこそ、個々人の自意識の問題も絡んでくるんでしょうに。確かに岡田さんがそれだけで少子化問題の全てを語れると断言すれば、それはただのトンデモですが。
今時「お国のために自由時間を犠牲にして貧乏に耐えて子作りしなさい」なんてマクロ(笑)な言説で若者は説得できない、というのも確かでしょうし、岡田さんも少子化は入り組んだ問題だと判断したから「とにかく結婚だ」という方針に疑問を挟んだんでしょう。
Posted by アデ at 2009年06月16日 00:14