アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 138人

アニメ夜話雑感

2009年02月28日

 アニメ夜話のオンエアが終わった。

 こういう録画・編集番組は担当ディレクターの「作品」だ。出演者の発言を切り貼りして編集できる、という絶対権限を持っている。だから、担当ディレクターの力量や考え方の差で、同じ素材を使ってもまったく違う内容・面白さになってしまう。

 1日目の『ジャイアントロボ』は、収録時の雰囲気を最優先にまとめていた。担当ディレクターが台本よりも当日のノリや話の面白さを最優先したためだろう。出演者に芸人さんや放送媒体慣れしてる人ばかり集めたから、こういう「雰囲気優先」で編集してもちゃんと番組としてなりたつわけ。

 2日目の『海のトリトン』は、ゲストをたてることを優先した回。トークの広がりや話の面白さも追求するけど、まずまんべんなく出演者の発言を拾うことにかなり注意をはらっている。この回の出演者はテレビ慣れしてる人が少なかったし年齢も高い目なので、まんま繋いでしまったらちょっとキツかったんだろうな。

 3日目の『攻殻機動隊』は、ちょっと事情が違う。他の二日は収録90分に対してオンエア1時間。しかし公開収録はいつも2時間を超えてしまう。これだけの素材をなんとか1時間番組に収めた作品だ。
 結果、収録前に用意した台本通りに忠実に作ろうとして編集しすぎちゃったように思う。札幌の収録を見た人にはわかるだろうけど、もっと収録現場の話は面白かったし内容も深かった。しかし、「その面白さ・深さ」というのは残念ながらあんまりテレビ的じゃなかった。前提やトーク自身も長かったのでオンエアに適さない、と担当ディレクターは判断したんだろう。でも、収録現場の雰囲気や発言をもっと活用した方が深みや面白みが出たんじゃないかなぁ。

 司会の仕切りひとつで番組の印象も変わる。アニメ夜話の場合は里さんの司会進行は「強い仕切り」タイプ。マンガ夜話の大月さん司会のように台本無視とかいう無茶はせず、かなり丁寧に発言ごとに「この点いかがでしょう?○○さん?」と降りなおす。それが吉と出る場合もあれば、仕切りすぎてしまう場合もある。
 出演者の僕は、作品を「技術的」「歴史的」「現場的」などの引いた視点で見るタイプなので、普通の人が喜ぶような「この作品、サイコーですね!」という流れにはなりにくい。どうしても温度が下がってしまう。このような出演者同士の化学反応が上手くいく場合もあれば、殺し合ってしまう場合もある。

 「取り上げるアニメ作品自体」と「出演者どおしの組み合わせ」と「司会者の話運び」で、当日の内容が決定して、それをさらに「担当ディレクターの価値観・方針」で料理する。収録・編集番組は担当ディレクターの「作品」だ、と僕が言うのは、こういう理由からなんだよね。
 もちろん、権利元にもあるていど目配りした仕上がりにするのは、こっちはプロデューサーたちのお仕事。ご苦労様です。
 
 オンエア後、ブログで見かける視聴者の視点もさまざまだ。
 「オレの愛する作品の魅力を『正しく』伝えてるかどうか」だけこだわる人もいるし、「スタッフの裏話」が聞ければいい、と言う人もいる。批判やダメ出しがないと面白くない、と考えてる人もいれば逆に「大好きな作品を批判するのは許せない」というファンだっている。
 アニメ夜話自体を「作品」と見ている人もいれば、「紹介ツール」としてしか見ていない人もいる。
 
 出演者である僕としては、正直な話、ノーカット版が一番面白いと思ってる。もちろんオンエア尺の問題などあるのはわかってるけど、編集版はどうしても「台本進行」や「無難な発言」を中心にまとめてるような気がするからね。
 いずれ三作品とも、キネマ旬報から書籍でノーカット版が発売されるだろうから、興味のある人はぜひ比較してほしい。



Posted by 岡田斗司夫 at 11:49

この記事へのコメント

押井さんがからんだような作品になると、どうしても話す内容が小難しくなりがちですが、単純に面白いんですよってことをもっと言ってほしかったです。
トリトンのときの岡田さんは輝いていましたね。フロイト的な話には僕も驚きました。
岡田さんの分析能力はどうやったら見につくのですか?
Posted by 話し上手な岡田さん at 2009年02月28日 12:55
BSアニメ夜話「攻殻機動隊」拝見しました。楽しみにしていた番組だったのですが、岡田さんの話があまり聞けず残念でした。
トークも内容についてでは無く、社会背景や神山作品全般の解説に終始してしまったようです。ゲストの一人(学者さん)の小難しく長い講釈は雰囲気を盛り下げる要因でしたし、発言の冒頭の「ぼくは社会学者でもあるんですけど」「ぼくは映画評論家でもあるんですけど」といった自己紹介には違和感を覚えます。これだけの作品ですので適した方は大勢いらっしゃると思います。是非ゲストを変えてSAC2版の放送を期待します。そしていつものように語っていただきたいです!
Posted by 岡田さんの話がききたい! at 2009年02月28日 13:49
初めて書き込みします。
「素晴らしい世界」先週と今週、2週とも拝見しました。
自分は岡田さんが出ると言うことで録画しながら見てましたー。
・・・が、先週の放送では、ダイエットについてということでガックリ。ダイエットについては各局の全国放送でさんざんして岡田さん自身も飽き飽きしているのにわざわざローカルでもダイエットの話しをさせるのかとHTBのやり方にイライラしました。
今日の放送では、先週の放送でオタクな話をするということで楽しみにしていたのですが、まさかのカット!ハイジの話もマクロスの話も最初だけで後は簡単な字幕を高速で流すのみ。
・・・ショックでした~。

岡田さんの著書読みました。
オタク学入門、東大オタク学講座、オタクはすでに死んでいる・・・等々。
面白かったです。特に、『オタクはすでに死んでいる』には共感をすると同時に、あとがきを読んだときは切なくなりました。あの岡田さんがこんなことを言う(書く)なんて・・・と。
今の若い人の中にアニメが好きな人を見つけても、それは「アニメを観ることが好き」というのみで「アニメを解ろうとすることが好き」という人はほぼ皆無です。「ダンバイン」や「ザンボット」の名前を出しても通じません。

私は趣味でアニメ研究をしています。私にとって岡田さんは目標です。
まとまりの無いor意味の解らない文章でスイマセン。

これからも頑張ってください!
Posted by 北海道の大学生(男・19歳) at 2009年03月03日 01:55
札幌の収録で公聴させていただいた者です。
ご指摘のとおり、オンエア版は非常に無難な編集になってしまったようです。2時間半以上にわたる収録だったので、かなりカットされるであろう事は予想していましたが・・・。
マエストロのコーナーも一番興味深かった部分がバッサリなくなっていましたし、何よりせっかくの公開録画だったのに会場の雰囲気がまるで反映されていなかったような。

キネ旬の書籍版では各ゲスト等のコメントも追録されるでしょうから、楽しみにしています。

あ、収録は大変楽しかったです!!!
Posted by じろ at 2009年03月08日 11:30
ギャオジョッキーの#21 を見たんですがハルヒに関しての批判がありますたよね。僕もハルヒは見てないのですが以前岡田さんがボーメさんと村上隆さんを比較して村上隆さんをたたいてるブログに「村上隆をよく知らないのに叩くのはアンフェア」的なことをおっしゃってた気がしたんですが、エヴァのミサトさんの批判は岡田はさんは当然全話しっかりみてるでしょうから批判もアリですが、ハルヒに関しては1話をちょっと見ただけって話でしたので「自分に合わないので見るのやめた」ならいいですが「ブランド好きのバカ女」ってのは「よく知らないのに」ってのに当てはまる気がします。
その後の展開で評価が変わる可能性がありますからね。
僕も見てないのでどうこうは言えませんが「よく知らないものの批判はやめよう」とあのボーメさんと村上隆さんを語る回を見て思ったのでそう思わせてくれた張本人の岡田さんがそれをしちゃってるのに少しガッカリでした。
Posted by けいた at 2009年03月13日 00:37
アニメ夜話は毎回楽しみにしていますが、編集のされ方には色々と疑問がありました。
やはりノーカット版が観たいですね。書籍化されるなら買います。
先日、岡田さんの旧書籍を発掘発見し、都合4冊程、ハードカバーのものを購入しました。4冊とも、一般書店では入手困難な代物です(笑)。
まさにぼくが高校生の頃の80年代の薫りうずまく書籍に身もだえします。
まだ未読ですが、楽しんで読みます。
Posted by 森山ネム太郎 at 2009年03月22日 02:22