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やりきれない話(昨日の続き)

2009年04月04日

 さて、昨日の話の続き、mixiの問題についてだ。
 長くなるし、痛快な話にもならない。
 なぜなら、今回の一件は「被害者自身が問題の存在を知らないから」「知ったからと言って解決法はないから」という、かなり救いのない話だから。
 
 僕はmixiという場が大好きだ。
 過去形で「大好きだった」ではない。いまだに大好きだ。
 だから、退会しなければいけなかったのは、すごく残念に思っている。本当は居残って、管理体制やユーザーサポートに対して、もっと口やかましく文句を言うべきだったんじゃないか。退会した今でもそう思って心が痛い。
 でも、僕は昨日の日記で書いたとおり、「この管理体制は信用できないな」と確信したので、退会せざるをえなかった。この件に関して「根性無し」「逃げた」と言われたら、「その通り。すまん!」と頭を下げるしかない。
 
 では、なぜそこまでmixiを愛する僕がやめたのか?
 まず、事件自体の事実経緯を列記しよう。
 
 岡田斗司夫のプロフィールが勝手に書き換えられた
 →パスワードを変えた
 →また書き換えられた
 →いつも自分が持ち歩くノートパソコンからパスワードを書き換え、同時にmixiに通報した。アカウント・ハッキングの可能性を考え、正規パスワードで入った時間記録を求めた
 →mixiから「各ユーザーの利用状況や操作の経緯については事実確認がとれないため原因がわからない」という返事が来た
 →mixiに「利用状況がわからない、というのは運営事務局では確認をとることが物理的にできないという意味か?」と問い合わせ、同時に先方の担当者と部署、調査したという担当部門の名前を聞いたら、それ以降ぱったりと返事がこなくなった
 →それでも書き換えられたので、3月31日11時59分で退会した。
 
 昨日も書いたし、3月28日付けの日記の繰り返しにもなってしまうけど、今回のアカウント・ハッキング事件そのものは、僕にはどうでもいい。一度プロフを書き換えられてから、かなり慎重にパスワード管理やパソコン管理はやったつもりなので、僕としては「2回目以降のハッキングに関しては、自分の責任という可能性は低い」と考えている。他にも原因はなんぼでも考えられるけど、正直そういう話をしたいわけではない。
 
 僕がmixiをやめる決心をしたのは、「ここに大事なデータを預けるのは危険だ」と判断したからだ。
 ログインの時間記録の照会を求めた返事が「各ユーザーの利用状況を確認することはできない」、つまり「ログインの記録はとっていない」「どのユーザーがどのサーバーからアクセスしてるのか、mixi運営局ではまるっきりわからない」と言われたも同然だから、これ以上mixiに自分の日記や文書の管理をまかせるのは危険だと判断した。それだけの話である。
 
 ところが。昨日も話題にしたこのニュースを読むと、なんだか話が違う。僕が問い合わせても担当者は自分の名前も言わなかったくせに、ITmediaの問い合わせにはホイホイ答えちゃってる。
 
 3月31日23時59分の退会時で、僕の日記などすべてのデータは消えたはずだ。ところがITmediaのニュースには僕の日記が掲載されている。mixiから画像の提供を受けたんだと思うけど、mixiには会員の日記を勝手に保存・公開したり利用したりする権利があるんだろうか?
 
 ITmediaの報道方針も不思議だ。こういう事件の場合、まず真っ先に被害者の話を聞くものだと思っていた。少なくとも双方の言い分を聞くのはメディアとして最低限の義務だろう。ところが、僕にはメール一本の問い合わせもない。まるで最初からmixi側のイイワケを掲載するのが目的みたいな手際じゃないか、と僕は疑ってしまう。
 
 となると、不思議なのは「なぜ、たかがいちユーザーの退会をニュースで配信させなければならなかったか?」ということ。
 僕が単なるクレーマーというなら、退会してくれたんだから問題解決で万々歳のはずだ。いちいちニュースにする理由がない。
 僕に思いつく理由は「mixiの管理体制に対する不安を打ち消したかったから」しかない。
 「もしアカウント・ハッキングという事件が起きても、mixiはなんの手も打てない。それどころか、事実関係を調べることもできない。調べる手段も能力もない」
 「ユーザーからの聞かれても担当者名も答えない。面倒な質問は無視する」
 僕が書いた最後の日記で、こういう評判がmixi内に立ちはじめた。
 それで今回の一件、つまりmixi内のユーザーの不安から目を逸らさせるための緊急措置となったんだと思う。
 
 不正アクセスはなかった=mixiに問題はない、という説明で全ユーザーを納得させたい。
 だから、たかがいちユーザーの退会をニュースに仕立て、mixiに非はないと一方的にアナウンスして、ついでにmixiの思惑通り会員には「パスワード管理には気をつけて」と告知できたことになる。彼らの思惑通り、mixi内では配信したニュースだけを見て、まったく疑わずに納得してしまった会員が大多数らしい。
 
 僕の考えすぎだろうか?被害妄想か?
 でもそれ以外に、「退会してやめてしまった会員の、本来外部に出すべきじゃない日記」が堂々と公開されている理由が思いつかない。mixiに僕の日記を公開する意図がないなら、mixiニュースとして配信しているITmediaにまっさきに「外部に非公開の日記を公開されては困る」とストップをかけているべきだし。
 
 まったく困ったもんだと思うけど、とりあえず僕にできるのは「今回の一件はニュース自体から疑った方がいいよ」という助言だけである。
 繰り返すけど、これはもう僕の問題じゃない。僕自身は、管理体制に大いに不安があると思っているmixiからすでに脱出したからだ。いわば、安全圏に逃げた。
 
 問題は、mixi内にいる1000万人以上の人たちだ。
 僕が「大好きだ」と言ったmixiを実際に作っている人たち、面白い日記を毎日書いて、楽しいコミュを運営してくれている、普通の人たち。
 mixiニュースだけ読んで、そこに書いてることを信じ、今回の報道の矛盾やmixiの誠意のない振る舞いに気づかずにいる。
 自分の日記が、mixiの都合次第で無断でmixiニュースやネットニュースでさらされる、ということにも気づいていない。退会して全データが消去されたはずと安心しても、実はmixiはデータをこっそり保存してて、彼らが使いたいタイミングで使う。
 僕のように、いわゆる「有名人」じゃないから、もし同じような事態にあってmixi事務局から突き放されて、それでもmixiから離れたくないから我慢するしかない人たち。

 僕は彼らを被害者だと思う。
 でも、気づいたからと言って対処法は「粘り強く抗議する」「退会する」しかない。どっちもキツい。特にmixiの中で人間関係を築いてしまった人には、居続けるしかないから。
 
 僕自身は「mixiから脱出する」という禁じ手を使った。でも、それは僕のような気楽な立場だからできることだ。mixiをやめても、他のブログで書き始めても、いずれみんなとの繋がりは取り返せる、と言い切れる強い立場だからできたにすぎない。
 自分の大好きな場が、実はそうじゃなかったと知るのは悲しい。
 大好きな場を作ってくれていたみんなに、何もできず逃げたのは辛いし恥ずかしいと思う。
 
 「被害者自身が問題の存在を知らないから」
 「知ったからと言って解決法はないから」
 
 ね?やっぱり痛快な話にはならなかったでしょ?
 
 とりあえず、僕としては昨日の日記でも書いたとおり、「退会して消去したはずの自分の日記が、入手経路不明のまま発表されてしまっていること」への対抗策として、今回のような長くて気持ちが暗くなるような日記を書いた。
 あのニュースを放置するのは、いくらなんでも自分が無責任な気がするからだ。
 でも、もうこんな辛い思いはまっぴらだから、これ以上この件を語るつもりもない。
 
 以上、できるだけ正直な気持ちで本音で書いた。
 もっと明るいフリをして、「危険なmixiなんかやめてせいせいしたゼ!」とか書くことも正直考えた。だけど僕は「根性無し」で「脱出者」かもしれないけど、「卑怯者」にはなりたくない。
 以上だ。最後まで読んでくれてありがとう。
 
P.S.
 ついでに「根性無し」からのお願いを聞いてくれないか?
 TOPページから大々的に配信されるmixiニュースに比べれば、僕の日記など非力そのものだ。できれば、mixiの中のみなさんの大事な人に、彼らを傷つけずに危険を知らせてあげてほしい。今回の日記で役に立つなら、いくらでも引用・掲載してください。
 
  


Posted by 岡田斗司夫 at 09:49