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アニメ夜話雑感

2009年02月28日

 アニメ夜話のオンエアが終わった。

 こういう録画・編集番組は担当ディレクターの「作品」だ。出演者の発言を切り貼りして編集できる、という絶対権限を持っている。だから、担当ディレクターの力量や考え方の差で、同じ素材を使ってもまったく違う内容・面白さになってしまう。

 1日目の『ジャイアントロボ』は、収録時の雰囲気を最優先にまとめていた。担当ディレクターが台本よりも当日のノリや話の面白さを最優先したためだろう。出演者に芸人さんや放送媒体慣れしてる人ばかり集めたから、こういう「雰囲気優先」で編集してもちゃんと番組としてなりたつわけ。

 2日目の『海のトリトン』は、ゲストをたてることを優先した回。トークの広がりや話の面白さも追求するけど、まずまんべんなく出演者の発言を拾うことにかなり注意をはらっている。この回の出演者はテレビ慣れしてる人が少なかったし年齢も高い目なので、まんま繋いでしまったらちょっとキツかったんだろうな。

 3日目の『攻殻機動隊』は、ちょっと事情が違う。他の二日は収録90分に対してオンエア1時間。しかし公開収録はいつも2時間を超えてしまう。これだけの素材をなんとか1時間番組に収めた作品だ。
 結果、収録前に用意した台本通りに忠実に作ろうとして編集しすぎちゃったように思う。札幌の収録を見た人にはわかるだろうけど、もっと収録現場の話は面白かったし内容も深かった。しかし、「その面白さ・深さ」というのは残念ながらあんまりテレビ的じゃなかった。前提やトーク自身も長かったのでオンエアに適さない、と担当ディレクターは判断したんだろう。でも、収録現場の雰囲気や発言をもっと活用した方が深みや面白みが出たんじゃないかなぁ。

 司会の仕切りひとつで番組の印象も変わる。アニメ夜話の場合は里さんの司会進行は「強い仕切り」タイプ。マンガ夜話の大月さん司会のように台本無視とかいう無茶はせず、かなり丁寧に発言ごとに「この点いかがでしょう?○○さん?」と降りなおす。それが吉と出る場合もあれば、仕切りすぎてしまう場合もある。
 出演者の僕は、作品を「技術的」「歴史的」「現場的」などの引いた視点で見るタイプなので、普通の人が喜ぶような「この作品、サイコーですね!」という流れにはなりにくい。どうしても温度が下がってしまう。このような出演者同士の化学反応が上手くいく場合もあれば、殺し合ってしまう場合もある。

 「取り上げるアニメ作品自体」と「出演者どおしの組み合わせ」と「司会者の話運び」で、当日の内容が決定して、それをさらに「担当ディレクターの価値観・方針」で料理する。収録・編集番組は担当ディレクターの「作品」だ、と僕が言うのは、こういう理由からなんだよね。
 もちろん、権利元にもあるていど目配りした仕上がりにするのは、こっちはプロデューサーたちのお仕事。ご苦労様です。
 
 オンエア後、ブログで見かける視聴者の視点もさまざまだ。
 「オレの愛する作品の魅力を『正しく』伝えてるかどうか」だけこだわる人もいるし、「スタッフの裏話」が聞ければいい、と言う人もいる。批判やダメ出しがないと面白くない、と考えてる人もいれば逆に「大好きな作品を批判するのは許せない」というファンだっている。
 アニメ夜話自体を「作品」と見ている人もいれば、「紹介ツール」としてしか見ていない人もいる。
 
 出演者である僕としては、正直な話、ノーカット版が一番面白いと思ってる。もちろんオンエア尺の問題などあるのはわかってるけど、編集版はどうしても「台本進行」や「無難な発言」を中心にまとめてるような気がするからね。
 いずれ三作品とも、キネマ旬報から書籍でノーカット版が発売されるだろうから、興味のある人はぜひ比較してほしい。
  


Posted by 岡田斗司夫 at 11:49